上腹部痛
など
下腹部痛
など
腹部には胃や十二指腸、小腸、大腸、肝臓、膵臓など消化器の臓器が多く占めていますが、腹痛の原因はかなり多く、消化器疾患以外が原因となることもあります。そのため腹痛の原因を特定することは難しいことも多く、病歴や身体診察、検査を組み合わせた診断や受診後の経過をおうことが必要になってくる場合もあります。
吐き気、嘔吐の原因となる病気
など
吐き気、嘔吐の原因は消化管疾患が原因であることが多く、その他感染症などの全身に影響する疾患や心臓、脳の病気で起こることもあります。胃や大腸は内視鏡検査で直接観察することで異常をみつけることが可能です。
発熱の原因になる病気
など
発熱の原因は多岐にわたります。発熱以外の症状、期間、年齢等で発熱の原因をある程度絞っていきます。その上で血液検査や胸部レントゲン検査、腹部超音波検査やCT検査などの検査を選択することで原因をはっきりさせます。発熱の原因は多く、自然に治る疾患もあれば命にかかわる疾患もあります。
急性下痢
ウイルス(ロタウイルス、ノロウイルスなど)が感染することでおこる腸炎です。周囲から感染し、嘔吐も伴うことが多いです。発熱はないことが多く、基本的には自然によくなるため消化の良い食べ物や水分摂取を行い、ウイルス検査や抗菌薬は必要ありません。水分が取れない場合は点滴が必要になることもあります。
細菌(カンピロバクター、サルモネラなど)に感染することでおこる腸炎です。発熱や血便を認めることもあります。食事(生もの、卵、鶏肉など)をしたときに感染することも多いためいつ何を食べたかは大事な情報源となります。細菌感染ではありますが状態が悪くなければ抗生剤は不要なことが多いです。
薬剤(抗生剤や下剤、胃薬など)をはじめた際に起こる下痢です。薬剤を始めてしばらく経ってから起こることもあります。薬剤をはじめて症状がいつ出たかは、原因薬剤をみつけるための大事な情報となります。基本的には原因となる薬剤を中止すると症状は改善します。
慢性下痢(4週間以上続く下痢)
便秘を認める方もいますが、下痢が続く、便秘と下痢を繰り返すという症状が持続する場合はこの病気の可能性があります。基本的には大腸カメラで他の病気がないかを確認します。腹痛、腹部不快感があり、排便で改善する、排便頻度が増加する、便の形が変化するなどで診断します。治療は食事療法、行動療法、内服薬があります。
下痢のみの症状でも大腸がんが原因ということがあります。この場合は大腸カメラで診断することが可能です。
飲酒をする方や上腹部の痛み、背中の痛み、糖尿病がみつかった方で下痢を伴う場合は慢性膵炎の可能性もあります。腹部超音波やCT検査、便中の脂肪の有無で診断します。重症度によって治療法や適切な食事の内容も変わってきます。
下痢に体重減少、動悸、手の震えなどを伴う場合はこの疾患を疑います。血液検査で診断することができます。放っておくと甲状腺クリーゼという重症な状態になり心不全にいたることもあります。早めに診断することが大切です。
便秘の原因
など
便秘の原因は多くあり、外傷の経験や血便、腹痛などがあれば早めの治療が必要な可能性があります。それがなければ生活の中で原因が隠れていることが多いです。その場合基本的には生活習慣から変えていくことが大切ですがそれでも改善に乏しければ下剤を使用することもあります。便秘は脳心血管系疾患のリスクにもなりますし生活に支障をきたすことも多いため早めの相談をお勧めします。
血便の原因となる病気
など
血便はよくみられる症状です。大腸がんなどの早めの治療が必要であったり自然に改善する病気であったり様々な病気でみられる症状です。腹痛や下痢、肛門痛など一緒にみられる症状、年齢などからどの疾患の可能性が高いかを考えていきます。大腸がんなどは大腸カメラや肛門鏡で直接腸の中や肛門を観察しないと判断できません。痔と他の病気が一緒に存在する場合があるため、痔のある方は血便の原因は痔だろうと決め打ちせずに医師に相談することをお勧めします。