下剤内服のための個室完備
大腸カメラとは「下部消化管内視鏡検査」のことで、大腸(直腸・結腸)まで観察する検査のことです。
がんなどを疑う病変が見られた時には専用の鉗子を使用して粘膜を一部つまみ取り、ポリープがあれば必要に応じてその場で切除をします。採取した粘膜の一部や切除したポリープを生体検査(病理検査)に提出し、がんかどうか、その他の病気でないか調べます。結果には約1~2週間の期間を要します。
大腸がんの危険年齢は40歳ころからです。この頃から増え始め、50歳代で加速し、60歳代、70歳代と高齢になるほど大腸がんになる確率は高くなります。そのため定期的に大腸カメラを受けることをおすすめします。
大腸カメラが進む際に腸が伸ばされ、おなかが張る感じ、中には痛みを感じる方がいます。痛みを感じたくない方や、初めての検査で緊張される方などは安心して検査を受けるためにも鎮静剤の使用をおすすめしております。
大腸カメラを行う前には下剤を飲んで腸内をきれいにします。自宅で下剤を内服することも可能ですが、当院ではリクライニング、テレビを備えた個室でリラックスして下剤内服を行える設備を整えております。自宅で下剤を飲むのが不安な方はぜひご利用ください。
従来の大腸内視鏡検査では、空気を使用していましたが、 検査後に大腸内に充満した空気の影響で、「お腹の張り」や 「痛み」「違和感」などを伴うことが多くありました。
このことが内視鏡検査が辛いというイメージにつながり、敬遠されていた理由です。そこで、当院では新たに「炭酸ガス送気装置(UCR)」を導入しました。
これは、空気の代わりに炭酸ガスを注入するものです。外科領域においては、腹腔鏡手術で随分前から導入されており、その安全性、有効性については実証済みです。
炭酸ガスを使用することで、検査後の苦痛を大幅に軽減することが可能となります。炭酸ガスは、空気に比べて腸管内で速やかに吸収される特性(空気のおよそ200倍)があります。
つまり、腸内に長時間空気が残らないために、「お腹の張り」「痛み」「違和感」を和らげる効果につながっているのです。
そのため、体への負担が軽減し「以前より検査が楽になった」と沢山の患者さんに喜んでいただいております。
診断される数(2019年) | 155,625例(男性87,872例、女性67,753例) |
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死亡数(2020年) | 51,788人(男性27,718人、女性24,070人) |
5年相対生存率(2009~2011年) | 71.4%(男性72.4%、女性70.1%) |
・人口あたりの罹患率は123.3 例(男性143.1 例、女性104.6 例)(人口10万対)
・人口あたりの死亡率は42.0 例(男性46.2 例、女性38.0 例)(人口10万対)
元データ:全国がん登録罹患で(罹患)、人口動態統計死亡データ(死亡)、地域がん登録生存率データ(生存率)
出典「国立がん研究センターがん情報サービス」よりデータ参照
大腸がんの診断数は全国で年間15万件を超え、年間5万人以上の方が大腸がんで命を落とされています。
出典「国立がん研究センターがん情報サービス」よりデータ参照
大腸がんは男女共に多いがんで、男性では第3位、女性では第1位となっております。
出典「国立がん研究センターがん情報サービス」よりデータ参照
大腸がんは40歳以降に少しずつ増え始めます。40歳を過ぎたら必ず一度検査を行い、
異常がなくても定期的に検査を実施し早期発見につなげましょう。
早め(夜8時頃まで)に夕食を終えてください。
食事は可能な限り消化の良いものを食べてください。
(希望のある方や便秘のある方には大腸カメラ用の食事をご用意しております。)
夜9時ころ下剤(錠剤)を服用します。
朝食は食べられません。基本的に薬はすべて内服していただきますが、糖尿病の薬は服用しないでください。
(インスリン製剤を使用している方は当日インスリンは使用しないでください。
1型糖尿病の方は可能な限りかかりつけ医師にご相談の上、持効型インスリン製剤のみを使用してください。)
自宅もしくは当院で下剤を飲んでください。(下剤の種類は医師と相談の上決定します。)
検査台に横になり、希望者には鎮静剤を使用します。
肛門から小腸の出口付近まで大腸カメラを挿入し、カメラを抜きながら腸内を観察します。
その際ポリープがあり切除の必要があると判断した場合はその場で切除します。他病変がある場合は生検(組織をつまんで詳しい検査に出す)を行います。
人にもよりますが約15〜20分で終了します。
鎮静剤を使用した方は1時間ほど休んでいただきます。
検査結果は当日説明いたします。ポリープ切除や生検の検査結果は後日行います。
ポリープを切除した方は当日の飲酒はお控えください。当日の食事内容は検査後に説明いたします。