かつては、「苦しい」というイメージがつきものでしたが、現在は内視鏡の改良や小型化、鼻から通す経鼻内視鏡の普及、鎮静剤の使用などにより、痛み少なく、楽に胃カメラを受けていただけるようになっています。
胃カメラとは「上部消化管内視鏡検査」のことで、 咽喉頭(のど)、食道、胃、十二指腸まで観察する検査のことです。
がんなどを疑う病変が見られた時には専用の鉗子(ハサミのようなもの)を使用して粘膜を一部切り取ってきます。採取した粘膜の一部を生体検査(病理検査)に提出しがんかどうか、その他の病気でないか調べます。結果には約1~2週間程度の期間を要します。
従来口から入れていた胃内視鏡検査(胃カメラ検査)を、できるだけ負担なく受けられるよう、径5mm程度の細いスコープにして鼻から入れて検査ができるようにしたものです。今までのように口から入れたスコープが舌の根元に触れて、オエッと咽頭反射が起こることも少ないので楽に行うことができます。
9mm程度のカメラを口から挿入します(マウスピースを使用します)。より高画質で質の高い検査が受けられます。もともと何かの病気があった方の定期検査や鎮静剤を使用可能な方に適しています。
胃カメラは咽頭(のど)を通過して挿入しますが、その際に嘔吐反射(オエッとなる)を誘発します。人によって反射の強さは異なりますが、反射の強い人や検査に対する不安が強い方は鎮静剤を使用することによってより楽で安心した検査を受けることができます。
・胃がん
・食道がん
・十二指腸がん
・萎縮性胃炎
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・胃ポリープ
・十二指腸ポリープ
・逆流性食道炎
・食道裂孔ヘルニア
・ピロリ菌感染
・胃粘膜下腫瘍
・胃アニサキス症
・好酸球性食道炎 など
これらの症状に心当たりがある場合には、胃カメラ検査をおすすめします。
黒い便は、胃などの粘膜の出血を原因として起こる可能性が高い症状のため、すぐに胃カメラ検査を行う必要があります。
診断される数(2019年) | 124,319例(男性85,325例、女性38,994例) |
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死亡数(2020年) | 42,319人(男性27,771人、女性14,548人) |
5年相対生存率(2009~2011年) | 66.6%(男性67.5%、女性64.6%) |
・人口あたりの罹患率は98.5 例(男性138.9 例、女性60.2 例)(人口10万対)
・人口あたりの死亡率は34.3 例(男性46.3 例、女性22.9 例)(人口10万対)
元データ:全国がん登録罹患で(罹患)、人口動態統計死亡データ(死亡)、地域がん登録生存率データ(生存率)
出典「国立がん研究センターがん情報サービス」よりデータ参照
胃がんの診断数は全国で年間12万件を超え、その約70%が男性となっております。
出典「国立がん研究センターがん情報サービス」よりデータ参照
胃がんは男女共に比較的多いがんで、男性では第2位、女性では第6位となっております。
出典「国立がん研究センターがん情報サービス」よりデータ参照
胃がんは45歳以降に少しずつ増え始めます。40歳を過ぎたら必ず一度検査を行い、
異常がなくても定期的に検査を実施し早期発見につなげましょう。
お電話またはWEB予約にてご予約をお取りください。
ご来院後、診察を行います。症状はできるだけ詳しくお伝えください。
ご希望の胃カメラ検査の内容(経口/経鼻、鎮静剤の有無)などもお伺いします。
前日はできるだけ早い時間に夕食を済ませてください。
当日の食事は、検査終了までお控えください。
お薬を服用中の方は検査説明時や医師にご相談ください。
内視鏡室に移動して、検査用のベッドに横になっていただき、胃カメラスコープを挿入します。
食道、胃、十二指腸の観察を行い、筋力の低下がないか、胃の入り口付近や胃がんが発生していないかをよく観察します。
検査時間は5~10分程度で、患者様への負担を最小限に抑えて行います。
検査結果を説明いたします。
検査中に切除した組織がある場合は結果がでるまで時間がかかるため、再度受診いただき説明を行います。
組織採取をおこなったあとは食べすぎにご注意ください。