血圧が120/80 mmHg 以上を超えて高くなるほど脳心血管疾患にいたる可能性が高くなります。脳心血管病死亡の約 50%が、120/80 mmHg を超える血圧高値に起因するものと推定されています。
分類 | 収縮期(上)血圧 | 拡張期(下)血圧 | |
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正常血圧 | < 120 | かつ | < 80 |
高値血圧 | 139 ≧ 血圧 ≧ 120 | かつ/または | 89 ≧ 血圧 ≧ 80 |
高血圧 | ≧ 140 | かつ/または | ≧ 90 |
合併症、妊娠の有無、高血圧の原因によっては目標血圧や推奨される生活習慣・治療法は異なります。検診・健診で異常が見られる方や相談希望の方はお越しください。
参考文献:日本高血圧学会 日本高血圧治療ガイドライン2019,ライフサイエンス出版,2019
異常値 | |
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LDLコレステロール | 140 mg/dL 以上 |
HDLコレステロール | 40 mg/dl 未満 |
トリグリセライド | 150 mg/dL 以上(空腹時採血) | non-HDLコレステロール | 170 mg/dL 以上 |
脂質異常症はLDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、non-HDLコレステロールの異常値により診断します。リスクにより治療の必要性は変化しますが、糖尿病、慢性腎臓病、末梢動脈疾患のある方は高リスクとなります。放っておくと動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞等動脈性疾患を引き起こします。
食事、肥満、アルコール多飲、二次性(甲状腺機能低下症、慢性腎臓病、薬剤等)
検診・健診で異常が見られた方、喫煙者や肥満、家族に脂質異常症、冠動脈疾患のある方はぜひお越しください。
参考文献:一般社団法人日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版,レタープレス株式会社,2022
インスリン作用不足による慢性の高血糖状態による代謝症候群です。
●1型糖尿病では自己免疫性に膵β細胞が破壊されることがインスリン作用不足の原因です。
●2型糖尿病の発症には、β細胞量の減少によるインスリン分泌低下やインスリン抵抗性をきたす要因を含む複数の遺伝因子、過食・運動不足 ・ 肥満などの環境因子、加齢などが関係している。
血糖値、HbA1c、75 g 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の測定、症状から診断を行います。放っておくと糖尿病性腎症、神経障害、糖尿病性網膜症、大血管症を引き起こします。血糖コントロール、リスク因子のコントロール、合併症抑制が診療の目的となります。
検診・健診の異常、症状(口渇感、多飲、多尿、体重減少)がある方、家族に糖尿病の方がおられる方はぜひお越しください。
参考文献:日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイド2022-2023,文光堂,2022
内科検診の大きな目的は、何か疾患があった際に早期発見するということです。
自分自身で自覚することができない身体の内側でのトラブルや、問題を発見するのに役立ちます。
病院からお薬をただ飲むことだけが治療のすべてとは限りません。
健康寿命の維持には、定期的な検診をオススメしております。
など
呑酸(胃酸が喉元に込み上げてくる感じ)、胸焼けの症状がある場合はこの疾患の可能性があります。
胃カメラでも診断、内服治療が可能です。このような症状がある方はご相談ください。
食道の粘膜にできるがんです。
初期症状はほとんどなく、進行してくるとのどの違和感、食べ物がつかえる感覚や食事をすると嘔吐してしまうといった症状がみられるようになります。
定期的な胃カメラ検査で早期発見が可能です。
胃の粘膜にできるがんです。
初期症状はほとんどなく、進行するとみぞおちの痛みや吐き気、食思不振、黒い便が出ることで発症することがあります。
ピロリ菌の感染等が関与していることも多く、定期的な胃カメラや胃カメラでピロリ菌の感染が疑われる場合は除菌をお勧めします。
腹痛、食思不振、黒い便がでる、吐き気で見つかることがあります。ピロリ菌や痛み止めなどの薬が原因となることが多いです。
ほうっておくと出血し危険な状態に至ることがあるため症状が見られた場合は早めの受診をおすすめします。
検査を行っても明らかな原因が見つからないにもかかわらず、胃痛、胃もたれ、腹部の不快感などの症状がある場合、
機能性ディスペプシアと診断されます。
この疾患が疑われた場合は内服治療が可能です。
大腸の粘膜にできる悪性腫瘍です。近年、高齢化や食生活の欧米化を背景に大腸がんは増加傾向にあります。
特に女性の大腸がんが増えており、女性のがん死因の1位となっています。
初期症状はほとんどなく、進行してくるとお腹にかたまりが触れたり、お腹の違和感・痛み、下痢、血便がみられます。
大腸カメラで早期に発見するとおなかを切る手術を行わずに内視鏡での治療が可能です。
40歳以上の方は大腸カメラが勧められます。
大腸ポリープは非腫瘍性、腫瘍性にわかれており、例外もありますが主に腫瘍性のポリープを切除することが多いです。
検診などで便潜血検査(2日分、免疫法)を用いて異常がみられた場合は、便がポリープに擦れて出血している可能性があるため大腸カメラで観察することが推奨されています。
痔がある場合でもポリープが時と一緒にみつかる場合がありますので痔のせいと決めつけずに医師にご相談ください。
ヒトの免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで腸に炎症を起こす病気で、
患者さんは慢性的な下痢や血便、腹痛などの症状を伴います。
主に潰瘍性大腸炎とクローン病の2種類があり、両疾患とも比較的若い方に発症しやすく、日本の患者数は年々増加傾向にあります。
若年者に発症することが多い疾患です。
通常の検査では腸に炎症・潰瘍・内分泌異常などが認められないにも関わらず、慢性的に腹部の膨張感や腹痛を訴えたり、下痢や便秘などの便通の異常を感じる症候群です。
腸の内臓神経が何らかの原因で過敏になっていることにより、引き起こされると考えられています。
細菌又はウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症です。
原因はウイルス感染(ロタウイルス、ノロウイルスなど)が多く、毎年秋から冬にかけて流行します。
また、エンテロウイルス、アデノウイルスによるものや細菌性のものもみられます。
主症状は嘔吐と下痢であり、種々の程度の脱水、電解質喪失症状、全身症状が加わります。
嘔吐又は下痢のみの場合や、嘔吐の後に下痢がみられる場合と様々で、症状の程度にも個人差があります。
脂肪肝にはアルコールによる脂肪肝とアルコールを摂取しないのに肝臓に脂肪が溜まる非アルコール性脂肪肝があります。アルコールを摂取している方はまずはアルコールを控えるもしくは禁酒することが治療になります。非アルコール性脂肪肝のある方は食事、運動などを見直す必要があります。肝臓は沈黙の臓器といわれるだけあって気付かずに脂肪肝炎という状態になり肝硬変にいたっているケースもあります。心臓や脳の血管の病気になるリスクもあがります。脂肪肝を指摘されたら早めに医師にご相談ください。
B型肝炎はほとんどが母子感染(出産時に産道で感染)です。他血液や性的接触を介して感染します。肝臓に悪さをせずにウイルスが細胞内に潜んでいることがありますが血液検査で診断することができます。肝機能障害をおこしたり、免疫を抑える薬を使用するときに強い肝炎を起こすことがあります。
C型肝炎は血液や体液を介すること、性的接触でも感染します。刺青を入れることで感染することも多いです。感染すると持続感染となり、肝硬変、肝臓がんの原因となります。近年抗ウイルス薬(核酸アナログ)が登場し、90%以上の方が治療可能です。
肝臓がんは肝硬変やC型肝炎にかかっている方にみられることが多いがんです。初期は症状がみられないことが多く、検診で見つかることも多いです。肝硬変などの肝臓がんのリスクのある方は定期的に画像検査で検索していくことが大切です。
飲酒をする方、胆石のある方がかかりやすい疾患です。膵臓が酵素を大量に分泌することで炎症を起こし、上腹部、背中に激しい痛みを生じます。緊急性の高い疾患であり、すぐに大量の点滴を行う必要があります。急性膵炎を起こすたびに膵臓へのダメージは蓄積されるため禁酒や原因除去をすることが大切です。
膵臓がんは進行が非常に早く、症状がでることも少ないため早期の診断は非常に困難な疾患です。症状が出る前に健診を行うことが重要です。特に膵臓がんの家族歴のある方、糖尿病のある方、タバコを吸う方や肥満のある方などはリスクとなりますので注意が必要です。
急性膵炎を繰り返したり遺伝的な要因で膵臓に慢性的に炎症がおこり、線維化することで固くなる病気です。膵臓の通り道である膵管に石ができて通り道を塞いでしまうことで膵管が拡張し、疼痛が生じます。男性は飲酒している方に多く、女性は原因がわからないことが多いです。
膵臓にできるネバネバした粘液と呼ばれる内容物の入った袋状の構造物です。ほとんどが無症状であり健診の腹部超音波検査で見つかることが多いです。内側の細胞が腫瘍細胞であり、まれに癌化することがあるため消化器内科で定期的にサイズや構造、腫瘍マーカーを追っていく必要があります。
消化器内科は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸など消化器全般を診療します。
消化器内科では、症状の内容や症状が発生するきっかけをうかがい、検査を行います。
検査には、血液検査、X線検査、胃カメラや大腸カメラなどがあります。
各種検査を行って、院長が状態をわかりやすくご説明し、治療方針についてご相談してながら適切な治療を行っていきます。